2011年02月13日

タイガーマスク DVD





テレビアニメは、「虎の穴」からの刺客と対決するという大筋は原作と同じだが、原作が荒唐無稽な「虎の穴」との対決と、リアルだが地味な実在レスラーなどとの対決が混在した、いささかバランスの悪い内容になっているのに対し、テレビアニメは「虎の穴」との孤独な戦いと、より深い人間関係をドラマティックに描いたストーリーで、大人の観賞にも堪える出来となっている。但し覆面ワールドリーグ戦の面々、ミスター・カミカゼ(原作では虎の穴出身レスラーで空手家あがりだが、テレビアニメでは嵐虎之介門下の柔道出身の非虎の穴レスラーと設定が異なる)、レッドデスマスク(赤き死の仮面)など原作に準拠したキャラクターも多数登場している。原作よりはジャイアント馬場以外のアントニオ猪木、大木金太郎などにもスポットが当たっており、終盤には坂口征二も登場した。反面、原作の覆面デスマッチシリーズは散発的に虎の穴および虎の穴の雇われレスラーとの対決に変更され、少々間延びした印象になったことは否めない。原作と異なり、ザ・ピラニアンが虎の穴出身レスラーとなっている。

原作と最も大きく異なっているのが最終回である。テレビアニメの最終回は、「虎の穴」のボスがマスクを被った最強最後の悪役レスラー「タイガー・ザ・グレート」との決戦で幕を閉じる。
タイガーマスクは、最初はいつものように反則技に耐えてクリーンな試合をするが、グレートは殺意剥き出しで凶悪な反則技を連発。そして、タイガーは、グレートの顔面への凶器攻撃を間一髪で避けるが、マスクが完全に脱げてしまい、正体が伊達直人であることが白日の下に晒されてしまう。涙を流しながら高々と笑うタイガー=伊達直人は、グレートに対し、「虎の穴から貰ったものを叩き返してやる。それで俺は伊達直人に返るのだ」と宣言。グレートを上回る容赦ない反則攻撃を繰り出し、ついにはジャイアント馬場、アントニオ猪木の制止すら無視して、グレートに止めを刺してしまう。だが、試合後冷静になり、リングにおける自らの行いを恥じた伊達直人が、飛行機で国外へ旅立つところで終わる。

本作は日本のテレビアニメで初めて、原画からセルへ絵を転写するトレースマシンを導入した作品である。このため線の多い劇画をアニメ化することに成功した。
最終回は、当時、通常の3倍の作画枚数が費やされたという。制作サイドは後半部がかなりオリジナルストーリーになっていた上に、原作とはかけ離れた、かなり大胆な結末にしたことで、原作者である梶原一騎の反応を非常に気にしていたが、梶原一騎はこのテレビアニメの最終回を非常に気に入り、「こういう最終回が書きたかった」と語ったという。

主題歌の歌詞にある顔面への拳による攻撃は、プロレスでは基本的にルール違反である。しかし、一般的なプロレスでは5カウント以内の反則はルールで認められており、梶原作品ではベビーフェイスのレスラーもよくパンチを使う。

作画も、漫画版とは違ったタッチになっているが、DVDの特典として収録されているパイロット版の作画はマンガ版と酷似している。

脚本家の辻真先によると、当時は「テレビアニメは滅んだかもしれない」という大変な時期だった。これは1968年のマルサン商店、1969年の今井科学の両社の倒産が影響している。両社はキャラクター玩具で業績を拡大したが、キャラクター玩具の急速な需要の変化に耐えきれず倒産した。このため玩具業界では「キャラクターは危険」という認識が根付いた。鉄腕アトム以来、アニメ制作会社は高額なテレビアニメ制作費の赤字を、玩具などの関連商品の商品化収入で補っていたが、玩具業界が商品化してくれないため、制作費が調達できず、テレビアニメの制作本数は減っていた。

だが本作は約2年間と長期間放映された。これは本作の高視聴率もあるが、中嶋製作所のタイガーマスクのソフト人形がヒットしたためで、本作は当時のアニメではトップレベルの商品化収入を誇った。この成功が仮面ライダーに影響を与えた。仮面ライダーは仮面の主人公、悪の組織から

原作では実在外人レスラーは実名で登場させているが、テレビアニメでは若干アレンジされている。例えば、バディ・ロジャースは「ラジャー」、ボボ・ブラジルは「ポポ・アフリカ」に名前が変更されている。




posted by animation_root_sunday at 18:49| タイガーマスク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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